利用者ご家族の新聞投稿
(2023年3月30日 読売新聞より)
朝食が済むと、コーヒーを入れて全盲の妻に朝刊を読み聞かせる。これが、定年退職後二十数年来の私の日課だ。
妻にとって、世の中の情報源は新聞とラジオだ。私が読むのは、妻の要望で「編集手帳」「気流」「よみうり時事川柳」「ティータイム」「地方版」で、皇室に関する記事は必読に指定されている。暗いニュースが載っている紙面は求められない。。
同音異義語やカタカナ語もあり、音読で相手に記事通りに理解してもらうのは思いの外、難しい。発音の正確性や読む速さ、声量に気をつけ、少しゆっくりと語尾を明瞭に読むように心がけている。
音読のおかげで、滑舌が老化しない、頭の活性化にもなり、一石二鳥だ。
妻への音読が終わる頃、私のコーヒーはすっかり冷めている。これからも、達者な間は
ほのぼのと心温まるような記事を探して、妻にわかりやすく聞かせたい。
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